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開発総指揮遠山和廣インタビュー「鉄」に込めた意志

目指したのは、ロードレーサーが持つ美しき、基本
開発の際にまず考えたこと。それは自転車の「基本」をつくる、再認識するということです。
今、自転車がスポーツとしてブームになってますよね。
それが証拠に、様々なロードレーサーバイクが市場に出回っています。
カーボンフレーム然り、アルミ然り、チタン然り・・・。そして、お客様に買っていただくために、フォークやフレームを極端に太く、或いは細くしたり、左右非対称にしたり、特長的な曲線を出したりすることで機能とともに見た目での差別化を図る競争が進んでいます。特にカーボンは材質の特性からそういった変形をさせやすい。
でも自転車フレームの元祖であり基本は、鉄であり、ホリゾンタルなんです。 これは変わることがない自転車の事実であり、真理。基本こそ、圧倒的に美しい。あらゆる事象に当てはまる普遍の法則。昨今、移り変わりの早いロードレーサーバイクの景色の中で、変わらぬ美意識を再確認していただきたい。
これが世界における自転車の基本、スタンダードですよ、というものを世の中にお届けしたい。今だからこそ。それがMIYATA LEGEND(MIYATA JAPON/ MIYATA SPORTS)に込められたメッセージ、「鉄の意志」です。
コンプリートバイクとしてのこだわり
現在の高級クロモリフレームって、ほぼ100%近くがフレーム売りですよね。欲しかったフレームに好きなパーツ、こだわりのアイテムを装うことで世界に1台しかないバイクをつくることには得も言われない魅力があります。
ただバイクの性能って、バランスで決まるんです。そのバランスとはフレームとフォークだけではありません。タイヤ・ホイール・サドル・ブレーキ・・・すべてのパーツの特性を理解した上でバランスをとる。そうして成し得るものなんです。 MIYATA LEGENDそのバランスをバイクの性能にしたいと思いました。40年以上自転車に関わってきた一職人として、このフレームにはこのホイールが合うはずだ、このタイヤだ、このコンポだ・・・といったバランスを性能として表現したい。フラッグシップであるMIYATA JAPONはもちろん、ミドルクラスからのMIYATA SPORTSもその点はグレードの差こそあれ、妥協はしていません。
また、忘れてはならないのが、組み付けも性能の1つだということ。 同じフレーム、同じパーツでも組み上げ方で走行性能は変わってしまいます。MIYATA LEGENDは、チームミヤタの専属メカニックだった担当者(MIYATA JAPON)をはじめとして1台1台が丁寧に組み上げられ、お客様に合った最終組立・調整は高い技術力を有するMIYATA JAPON登録店が行います。ですからコンプリートバイクとして乗って、味わっていただきたいのです。ヘッドに輝く伝統のギヤエムヘッドバッジが、そのスピリットと品質を静かに、そして誇りを持って語ってくれています。
クロモリの持つ粘りのある弾性を最大限に引き出しながら低重心で、安定した走行性能

宮田工業株式会社自転車事業部(現:株式会社ミヤタサイクル)の元技術部長。機械メーカーの技術職を経て、宮田工業へ入社。以来約40年、一貫してミヤタ自転車の開発、品質に最前線で関わり、「カリフォルニアロード」「ジュネス」などのスポーツ車を担当。彼の辿ってきた道こそ、ミヤタ自転車の歴史そのものである。60歳を過ぎた現在でもミヤタ製のロードレーサーを駆る。今回のプロジェクトでは自転車開発の集大成として、自転車を知り尽くした自身が乗りたい理想のバイクを仕上げることを「使命」としている。

クロモリの良さ。それは剛性とともに独特のしなりが生む振動吸収性、その反動を推進力へ変換するウィップ感と呼ばれるものです。双方これらの要素を絶妙なバランスで成立させたとき、そのバイクはロードレーサーバイクとしてある極みの頂点に達することができると考えています。
速さだけを追い求めるのではない、物との一体感が体感できるとでも言いましょうか・・・もう1つの極みです。
ジオメトリーにしても、例えばペダリング時の剛性感を強調する場合、単純に言えばBB位置を高くすることで実現できますが、そうすることで自ずと高重心となってしまい腰高な乗り味で安定性が欠けてしまう傾向になります。剛性とウィップに安定性、そして適度なしなり。これら矛盾する要素をバランス良く成立させるためにMIYATA LEGENDは170ミリ長のクランクを前提にできるだけ重心を低く設定できるBBポジションを採用しました。
またフレームは、スチールフレームの王道とも言えるホリゾンタルダイヤモンドフレーム。メインパイプ3本は北の地獄と謳われる過酷なクラシックレース、パリ〜ルーベのパヴェ(石畳)でもその強度を証明したミヤタSSTBパイプを復活しました。実績に裏付けられた素材・ジオメトリーがクロモリの特性を余すことなく活かしてくれるはずです。
あのツール・ド・フランスで活躍したフレームのDNAを引き継いだフレームですから アグレッシブな走りにも十分に対応するのはもちろん、走りそのものを楽しむファンライドシーンにも最適な、懐の深いバイクであることは私が保証します。スポーツバイクを心から愛するあなたにとって、 またこれからロードレースをはじめようと思われているエントリー者にも、 MIYATA LEGENDはきっと、生涯の1台になるはずです