アライメント

MIYATA WORKSの真髄、アライメント修正に安井行正が迫る!

MIYATA WORKSので特筆すべきは、Team MIYATA専属メカニックによるフレームのアライメント修正。
その効果を検証するべく、歪んだ状態のクロモリフレームに自転車ライター安井が乗った。数十kmの試乗を行い、アライメント修正前・修正後のフレームを徹底的に比較する。

安井行正 プロフィール

1981年東京生まれの自転車ライター。4年間のメッセンジャー生活を経験したのち執筆活動を始め、現在は専門誌を中心に様々なメディアでインプレ記事などを担当する。自ら購入し乗り継いできたロードバイクは40台近くにのぼる。小柄な体型ゆえに試乗車のサイズが合わないことが多く、インプレ用フレームを自腹で購入することも多い。

MIYATA WORKSの真髄、アライメント修正に、サイクルジャーナリスト安井行正が迫る!

試乗に使ったのは、意図的に歪んだ状態にしてもらった新品のクロモリフレーム。
どこをどのように歪めたのかはあえて聞かなかったため、見た目では歪みは全く分からない。エンドが曲がっているわけではないのでホイールは真っ直ぐ入っているし、どのパイプもビシッと一直線に見える。
走り出すと、なんとなく真っ直ぐ走りにくい。ハンドリング特性にも左右差があるようだ。右にはなかなか曲がりたがらないのに、左コーナーでは途中から急に切れ込む極端なオーバーステアの挙動を見せる。走れることには 走れるが、直進状態でも常に細かな修正舵を入れ続ける必要があり、腕から緊張が抜けない。ダンシングにも違和感あり。試しに手放し運転を試みると、どんどん右に流れていってしまう。ちょっとした恐怖体験である。

 

工房に帰ってメカニックの添田氏に聞くと、ヘッドチューブを右に10mmほど歪めたのだという。ハンドルを真っ直ぐにしても前輪と後輪が同一線上にならない状態だったのだ。修正を行ってもらい、mmの狂いなく仕上げられたフレームで同じコースに走り出してみると、見事にビシッと真っ直ぐ走る直進安定性が戻ってきていた。ハンドリングの左右差も解消され、走行中の修正舵も必要なくなったため、ハンドルに手を添えるだけでリラックスしたライディングが可能になっている。もちろん手放し運転も問題なくできるようになった。

実際にこのような曲がり方をしているフレームはあるのだろうか。
添田氏によると、「走行中のバイクを後ろから見たときに、前輪と後輪が重なっていないフレームは意外とあります。真後ろから見ているはずなのに前後のホイールが一直線になっていないんです。どこのメーカーとは言いませんが…」とのこと。

 

しかし本当に恐ろしいのは、そんなフレームが販売され流通していることでも、その劣悪な操縦安定性でもない。歪んだフレームでもなんとか走れてしまう人間の「優秀な順応性」である。実際に今回の試乗でも、ヘッドチューブが10mmも横にズレているのに、十分も走っただけで身体がそれに慣れてしまい、無意識下で補正を繰り返しながらある程度は走れてしまった。

もちろん、それではロードフレーム本来の走行性能を発揮できていないのだが、そんな状態のままで走っているフレームは世に数多く存在するのではないだろうか。エンドなど末端が曲がっているならホイールが真っ直ぐ入らないなどの症状で「歪みが可視化」されるが、今回のようにフレームの芯が歪んでいると見た目では分からないから余計に怖い。要するに、「歪んでいても気付かずに走っている可能性が大きい」のである。
日本のフレームビルダーに聞くと、やはり海外製クロモリフレームは精度が低いことが多いそうだ。それに、ロードバイクといえど工業製品。メーカー規定値というアライメントの許容範囲が設定されており、その範囲内のも のは全て出荷される。新車であっても、アライメントが完璧に出ているとは限らないのだ。
 

真っ直ぐ走れていると思っているあなたの愛車が、アライメント調整によって“よりよく走るフレーム”になる可能性は、かなり高いのではないだろうか。